「レセプト 返戻 理由一覧 介護」で調べる際は、受給者情報・事業所台帳・重複提出のコード分類に加え、返戻と保留の区分、登録済みの明細書や給付管理票の内容を確認して対応を決めます。介護レセプトの返戻とは、請求明細書または給付管理票に誤りがあり、国保連合会から事業所へ返却されることです。返戻された明細書の支払は行われません[1]。

返戻理由の一覧は受給者情報、事業所台帳・必須項目、重複提出に分けて示します。2026年10月時点で公開されている国保連資料を参照しました。コード例は令和3年度版の抜粋です[6]。コードだけで処理を決めず、最新の審査結果と請求先の案内を照合してください。

返戻・保留・査定・過誤は別のものです

返戻は修正後の再請求、保留は給付管理票の登録確認、査定は減額の理由確認、過誤は審査確定した給付実績の取り下げです[1][2]。

表1 4つの状態の違い(2026年10月時点[1][2][4])

状態

何が起きているか

事業所がすること

返戻

請求明細書または給付管理票に誤りがあり返却された。支払なし[1]

修正して再請求する[2]

保留

給付管理票が未提出または返戻のため登録されず、請求明細書の審査・支払が待機している[2]

明細書は再請求せず、ケアマネジャーへ提出状況を確認する[2]

査定(減単位)

給付管理票との不一致などで請求単位数が減額される[2]

給付管理票と明細書のどちらが正しいか確認する[10]

過誤

審査確定した内容に誤りがあったため、給付実績を取り下げる[2]

保険者へ過誤の依頼をする

返戻以外でも当月の確認や連絡が必要です。保留なら給付管理票の提出を依頼し、査定なら減額の原因を調べます。過誤が必要な誤請求は、保険者への依頼日と再請求の時期を決めます[2][10]。件数だけでは判断できません。確認先と期限を加えて当月の作業量を見積もってください。

保留中の請求明細書を、返戻と同じように再請求しないでください。 千葉県国保連は保留中の明細書は再請求不要とし、必要に応じて居宅介護支援事業所へ給付管理票の提出を依頼するよう案内しています[2]。

一覧表では備考欄も確認します。宮城県国保連の解説では、4文字のコードまたは「返戻」が返戻扱い、「保留」が受付後の審査待ちを示します[5]。一覧表に載ったという理由だけで再請求を決めることはできません。

国保連は3段階で見ています

国保連のチェックは一次チェック、資格チェック、給付管理票との突合の3段階です[4]。返戻の理由と確認先を段階ごとに整理できます。

神奈川県国保連は審査の順序を3段階で示しています[4]。一次チェックでデータ内容や入力の誤りを見て、資格チェックで事業所台帳・受給者台帳と突合し、最後に給付管理票と請求明細書を突合します[4]。

以下のコード表は神奈川県国保連の解説(令和3年度版)に掲載された主な事例の抜粋です[6]。すべての返戻理由を網羅した一覧ではありません。自事業所の都道府県の国保連が出している解説も確認してください。

受給者情報で止まる返戻

受給者情報の返戻では被保険者番号、認定有効期間、要介護度、給付率などと、市町村が登録した受給者台帳の不一致を確認します[6]。

表2 受給者情報に関する主な返戻コード(神奈川県国保連 令和3年度版の解説より[6])

コード

内容

主な原因

12P0

証記載保険者番号、被保険者番号:市町村の認定情報が未登録

入力した保険者番号・被保険者番号に該当する被保険者がいない

12PD

対象年月、証記載保険者番号、被保険者番号:認定有効期間外の被保険者

要介護認定の有効期間が切れた後のサービス年月分を提出した

12PA

証記載保険者番号、被保険者番号:市町村の認定変更が未決定

要介護認定が変更申請中(更新申請中を含む)の被保険者について提出した

12P4

支援事業所番号、被保険者番号:市町村の認定情報と不一致

保険者が登録している居宅支援事業所の番号と、提出した事業所番号が違う

12P5

計画作成区分等:市町村の認定情報と不一致

受給者台帳の居宅サービス計画作成区分と一致しない、または自己作成になっている

12QJ

サービス種類、サービス項目:市町村認定の要介護度と相違

その要介護度では算定できないサービスコードを入力した

12SA

保険給付率:市町村認定の給付率と相違

受給者台帳上の保険給付率と、入力した保険給付率が違う

受給者情報の返戻は事業所の入力誤りと、保険者の台帳登録状況を分けて確認します。被保険者証・負担割合証と請求内容を照合し、入力が正しい場合は保険者へ問い合わせます[6][10]。認定更新月や区分変更月を利用者別に管理する方法もあります。

12PAは認定変更が未決定の場合のコードです。認定の処理状況を保険者やケアマネジャーに確認し、決定内容と台帳への反映を確認したうえで再請求します[6]。事業所に誤りがないと、コードだけで断定することは避けてください。

12PDはサービス年月と認定有効期間の関係を確認します。入力したサービス年月や被保険者番号が正しいかを調べ、更新認定の有無と台帳登録を照合します[6]。単に月をまたいだことを原因と決めつけないでください。

12P4と12P5は居宅介護支援事業所や計画作成区分の不一致です。支援事業所の変更があれば、請求内容と保険者の登録状況をケアマネジャーに確認します[6]。

事業所台帳と必須項目で止まる返戻

事業所台帳・必須項目の返戻では入力内容と台帳登録を確認します。入力は事業所で修正できますが、届出や台帳の訂正には指定権者などへの確認が必要な場合があります[6]。

表3 事業所台帳・必須項目に関する主な返戻コード[6]

コード

内容

主な原因

ABB0

必須項目が未設定

指定された項目に正しい数値が入力されていない

ADD0

無効もしくは事業所基本台帳に未登録

給付管理票作成時にサービス事業所の番号を誤って入力した

ADD1

無効もしくはサービス台帳に未登録

事業所台帳には登録されているが、取り扱っているサービスが登録されていない

ADD2

当該保険者等情報が保険者台帳等に未登録

保険者番号を誤って入力した

AEE2

日数が期間を超過

サービス開始年月日・中止年月日から計算した可能日数より、サービス実日数が多い

AEFE

算定に必要なサービス未請求

加算等、基本報酬に加えて請求が必要な項目が請求されていない

ASSA

記載された値が計算値を超過

国保連のシステムで検算した値より、請求明細書の値が多い

ADD1ではサービス事業所番号とサービス種類の入力、および該当サービスの台帳登録を確認します。入力が正しくても台帳が未登録なら、指定権者などへ登録状況を問い合わせます[6]。加算の算定開始だけに原因を絞らないでください。

日数や計算値の不整合では、月途中の認定変更や資格喪失の影響も確認します。認定日・資格喪失日と、実際にサービスを提供した日数を並べて確認してください。

ABB0では一覧表で指定された必須項目の入力を確認します[6]。画面上の入力と出力データが一致しない疑いがあれば、個人情報の取り扱いを決めたうえでソフト会社に確認してください。同じコードが続いても原因を設定と断定せず、対象項目と発生条件を記録します。

重複提出の返戻は、再請求しないほうがよい場合があります

重複提出の返戻では先に受け付けられた明細書や給付管理票の内容を確認します。正しい内容が登録されていれば再提出は不要ですが、誤った内容が登録されていれば訂正の手続きが必要です[6][10]。

表4 重複提出に関する主な返戻コードと対応[6]

コード

内容

対応

ANN0

同月に同じ給付管理票(新規)を提出済

登録済みの給付管理票を確認し、訂正の要否を判断する

ANN2

同月に同じ請求明細書を提出済

どちらの明細書が通ったか確認する。同一内容なら再提出不要[10]

ANN4

過去に同じ請求明細書を提出済

過去の審査・支払結果と今回の内容を照合し、訂正や過誤の要否を確認する

ANN9

給付管理票の作成区分新規での提出が必要

誤りが無い場合は「修正」ではなく「新規」として再提出する

ANN7

同月に市町村等による過誤調整を実施済

翌月以降に「修正」または「取消」の給付管理票を再提出する

ANNJ

過去に同じ給付管理票(新規)を提出済

過去に登録された給付管理票を確認し、訂正の要否を判断する

重複コードだけで「支払済み」「何もしなくてよい」と判断しないでください。 給付管理票の登録はサービス事業所への支払完了を意味しません。ANN2でも、誤った明細書の送信後に訂正版を送った場合は、どちらが通ったかの確認が必要です[10]。

再送前には受付結果と送信履歴を照合し、対象月・利用者・送信日時を記録します。受付の状況が分からないときは、同じデータを送り直す前に請求先やソフト会社へ確認してください。

ANN9は対応を間違えやすいコードです。返戻された給付管理票の保険者番号・被保険者番号・サービス年月に誤りが無い場合は、作成区分を「修正」にせず「新規」にして出し直します[6]。返戻された時点で登録が無い状態になっているため、「修正」では受け付けられません。

ANN7は別です。保険者側で先に過誤調整が行われている状態を指します。翌月以降に「修正」または「取消」の給付管理票を再提出します[6]。当月中に対象利用者と再提出月を記録し、給付管理票の作成事業所と対応を共有してください。

給付管理票との突合で止まる保留

給付管理票が未提出または返戻となって登録されていない場合は、請求明細書が保留になります[2]。給付管理票と明細書の単位数の不一致は、減額査定や返戻になる場合があり、すべてが保留になるわけではありません[2]。

保留の期間と対象は請求先などで異なります。宮城県国保連の解説は通常2か月[5]、千葉県国保連は最大4か月としています[2]。神奈川県国保連は他都道府県の被保険者は保留せず最初の月から返戻とする扱いを案内しています[10]。自事業所に適用される期間を確認してください。

保留期間内に給付管理票が提出されなければ、請求明細書は返戻になります[5]。そうなれば再請求が必要です。保留の一覧が届いたら、担当のケアマネジャーに給付管理票の提出状況を確認し、保留期限と次の確認日を記録してください。

単位数の不一致による査定では、サービス種類・事業所番号・実績を突き合わせます。給付管理票が誤っていれば作成事業所へ修正を依頼し、請求明細書が誤っていれば過誤などの手続きを確認します[10]。返戻の再請求と同じ処理にはできません。

サービス提供票と実績の変更は、月末の確定前にケアマネジャーと共有します。提出後に不一致が判明した場合も、給付管理票と明細書のどちらを直すか決め、翌月の結果帳票まで確認してください。

入金がいつになるか

返戻された明細書は修正後の再請求となるため、入金予定が遅れます。締切と支払日を分けて確認し、対象の請求額を資金繰り表に反映してください[2]。

請求の締切は「各月分について翌月十日までに行わなければならない」と省令で定められています[3]。東京都国保連の受付期間は毎月1日から10日で、郵送の場合は10日必着です。10日を過ぎて受け付けられた場合は翌月受付の扱いです[7]。

千葉県国保連の説明資料では請求月の翌月25日頃に介護給付費等を支払う日程を示しています[2]。京都府国保連は審査後その翌月末までに支払うと説明しています[8]。日程は連合会ごとに違うため、自事業所の請求先を確認してください。

返戻で支払われないのは、対象の請求明細書の分です。 事業所の当月請求分がすべて未入金になる意味ではありません。翌月以降の再請求となるため、当初予定より入金が遅れます[2]。

資金繰りの確認では件数と併せて金額も管理します。単価の高いサービスが返戻されたときは、件数が少なくても入金への影響を確認してください。返戻金額と再請求月の記録は、入金予定を修正するための資料です。

過誤の期限は全国一律ではありません。鹿児島県国保連では、保険者から国保連への通常過誤の申立は20日必着、同月過誤は3日必着です[9]。事業所が保険者へ依頼する期限は、保険者に別途確認してください。

国民健康保険中央会の手引きは同月過誤の基準日を7日とする処理例を載せていますが、月によって前後することと、日程が保険者・国保連ごとに異なることも示しています[1]。東京都の一律の締切としては扱えません。

時効にも上限があります。介護給付費を受ける権利は2年で時効により消滅し、起算日はサービス提供をした日の属する月の翌々々月の1日です[8]。なお介護予防・日常生活支援総合事業費は、地方自治法の規定により5年とされています[8]。月遅れ請求を放置できる期間には限りがあります。

まとめ

介護レセプトの返戻理由はコード全文・対象項目・台帳との不一致を組み合わせて判断します。一覧表が届いたら、次の順番で確認してください。

  1. 備考欄で返戻と保留を分け、査定の通知も確認します
  2. 返戻はコード全文と説明、対象帳票を読み、入力・台帳・登録済みデータを照合します
  3. 保留はケアマネジャーに連絡し、返戻は修正内容と再請求月、査定は訂正する帳票を決めます

対応記録には、サービス年月、利用者、コード、対象金額、確認先、担当者、再請求月、結果を残す方法があります。登録済みのデータと新しく提出するデータを区別し、次の審査結果で修正が反映されたかまで追ってください。

同じコードでも対策は異なります。入力誤りなら入力手順、認定待ちなら決定と登録の確認、届出の未反映なら指定権者への照会というように、返戻の原因と修正までに必要な手続きを記録して担当者間で共有してください。引き継ぎにも使える記録です。

外部委託の判断は件数だけでなく、確認と修正にかかる時間、担当者の体制、入金への影響を合わせて行ってください。請求業務そのものを外に出すことを検討している場合は、介護レセプト代行に対応範囲を出しています。記録業務の負担については介護のAI活用事例にまとめました。個別の相談は無料相談、現在地の確認は1分でわかるAI活用度診断からどうぞ。

※コードと運用は2026年10月時点で各国保連合会が公開している資料に基づきます。連合会によって解説の範囲と運用が異なるため、実務では自事業所の請求先が公開している資料をご確認ください。

参考文献・出典

  1. 介護給付費請求の手引き(審査支払結果帳票の解説) — 東京都国民健康保険団体連合会(国民健康保険中央会 令和7年12月)(参照 2026-10-24)
  2. 新規指定介護サービス事業所等説明会 — 千葉県国民健康保険団体連合会(令和6年10月23日)(参照 2026-10-24)
  3. 介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令 — e-Gov法令検索(デジタル庁)(参照 2026-10-24)
  4. 国保連合会でのチェックと支払までの流れ — 神奈川県国民健康保険団体連合会(令和3年度版)(参照 2026-10-24)
  5. 「請求明細書・給付管理票返戻(保留)一覧表」が届いたら — 宮城県国民健康保険団体連合会(令和3年8月11日)(参照 2026-10-24)
  6. 返戻(保留)事由の解説 — 神奈川県国民健康保険団体連合会(令和3年度版)(参照 2026-10-24)
  7. 受付日程・提出方法について — 東京都国民健康保険団体連合会(参照 2026-10-24)
  8. 時効について — 京都府国民健康保険団体連合会(参照 2026-10-24)
  9. 【介護保険】過誤について — 鹿児島県国民健康保険団体連合会(参照 2026-10-24)
  10. 介護給付費請求事務に係るよくある電話照会 — 神奈川県国民健康保険団体連合会(参照 2026-10-24)